傾斜ケージによる飼育法
実験動物開発研究室では、疾患モデルマウスを兄妹交配で維持しています。
これらの系統の中には繁殖が困難なマウスもいます。
そこで私たちは飼育方法を工夫し、以下のように飼育しています。
- 通常の飼育方法で5週齢になった雌雄を同居し、交配させる。
- 妊娠を確認(お腹かが大きくなった)時点で飼育ケージを20~30度傾斜します。
- 分娩を確認したらこのケージには一切触れない。
- 分娩後3~5日を経過したら傾斜飼育をやめ、また通常の飼育方法に戻す。
通常飼育と傾斜飼育 | 30度傾斜ケージ |
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以上のような飼育方法を用いると、 特にICGN(ネフローゼ)マウスや EL(てんかん)マウスを安定して維持することができます。
参考文献
- 黒沢重利、高野 薫、田口京子、山本美江、丸山美奈子,「傾斜ケージ及び個別飼育ケージを用いた近交系DDYマウスの繁殖成績の向上について」,実験動物技術,20(2):118-122,1985.